うちの長女は本が大好きです。でも読書感想文は大嫌い。
毎年夏休みの宿題に読書感想文が出るのですが、「やりたい子だけやればいい」というスタンスの宿題なので、私が毎年勧めても課題図書を読むだけ読んで、文章にまとめることはしませんでした。
そんな長女が小学5年生のとき、生まれて初めて自分から読書感想文を書きました。
その本が「中村哲物語 大地をうるおし平和につくした医師」です。

きっかけは学校の図書館でした。
たまたま図書館の棚で見つけて手に取ったそうです。読み始めたら止まらなかったようで、夢中になって読んでいました。
どんな本?
中村哲さんはアフガニスタンで、内戦や干ばつで苦しむ多くの人々を救うために活動した医師です。
医療だけでは限界があると感じた中村さんは「100の診療所より、1本の用水路」という信念のもと、自ら重機を操って広大な砂漠に水路を作り、荒れた土地を緑の大地へと変えていきました。
娘が感動したこと
長女が心を動かされたのは、中村さんが医師でありながら医療の枠を超えて、目の前の人々を救うために必要なことを何でもやり抜いたところだったようです。
読み終わった後、娘はこう言いました。
「私もこんなお医者さんになりたい」
その後、学校で将来の夢を書く授業でも「中村哲さんのようなお医者さんになりたい」と書いたそうです。
本を読んで、子どもの夢が変わった瞬間でした。
なぜこの本だと感想文が書けたのか
読書感想文が嫌いな長女がこの本だけは書けた理由を考えてみました。
それは「書きたいことが自然とあふれてきた」からだと思います。
読書感想文が書けない子の多くは「何を書けばいいかわからない」という壁にぶつかります。
あらすじを書いてしまって終わり、というパターンです。
でもこの本は読み終わった後に「すごい」「信じられない」「自分だったらどうするか」という気持ちが自然と出てきます。
感想が出てくる本だから、感想文が書けたのだと思います。
読書感想文が書きやすい本の条件
この経験から、読書感想文が書きやすい本には共通点があると気づきました。
・主人公が強い信念を持って行動している
・ 読んだ後に「自分だったらどうするか」と考えさせられる
・子どもが知らない世界や生き方が描かれている
中村哲物語はこの3つ全部に当てはまります。
読書感想文が書きやすいおすすめ本3選
中村哲物語と同じように「読んだ後に書きたいことがあふれてくる本」を3冊紹介します。
①『世界を救うパンの缶詰』

阪神大震災の被災者の声から生まれた「パンの缶詰」。
これを作ったパン屋の秋元さんは、賞味期限が切れる前にこの缶詰を回収し、海外の飢餓地域へ届ける仕組みも作り上げます。
あきらめない心が生み出した、奇跡の缶詰の物語。
中村哲さんが水路を引くことに執念を燃やしたように、この本も「誰かのために技術を磨くこと」のかっこよさを教えてくれます。
「自分だったら諦めずに続けられるか」という問いが自然と生まれるので、感想文のテーマが見つけやすい一冊です。
②『ぼくは満員電車で原爆を浴びた』米澤鐡志/語り、由井りょう子/文

11歳で被爆した著者の実体験をもとにしたノンフィクションです。
想像を絶する状況の中で少年がどう生き抜いたか、そしてその後どんな思いで平和を願って生きてきたかが綴られています。
中村哲さんの活動の根底にも平和への強い願いがありました。この本も「命をどうつないでいくか」を真剣に考えさせてくれます。
読んだ後に「自分は平和のために何ができるか」という気持ちが自然とわいてくるので、感想文のテーマが定まりやすいです。
③『5000キロ逃げてきたアーメット』オンジャリ Q. ラウフ/著

ある日クラスにやってきた難民の少年アーメット。彼の悲しい背景を知ったクラスメートたちが、大人たちも巻き込んで彼を助けようと動き出します。
フィクションですが、中村さんが生涯を捧げたアフガニスタンなど今も世界で起きている現実とつながっています。
「自分に何ができるか」を考えて行動に移す勇気をくれる物語で、読後感がとても爽やかです。難しすぎないので感想文が書きやすく、読み始めたら止まらない一冊です。
まとめ
読書感想文が嫌いな子に無理に書かせようとしても、なかなかうまくいきません。
でも「書きたい」と思える本に出会えたとき、子どもは自然と書き始めます。
大切なのは本選びです。
あらすじをまとめるだけでなく「自分だったらどうするか」「なぜこの人はこうしたのか」と考えさせてくれる本を選んでみてください。
長女が中村哲物語に出会ったのは図書館でたまたま手に取った一冊でした。
そんな偶然の出会いが、子どもの夢を変えることもあります。
ぜひお休みの日に一緒に本屋や図書館に行ってみてください。


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